”猫背の王子”ってどんな本?
- 書籍詳細
- 自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた――。女から女へと渡り歩く淫蕩なレズビアンにして、芝居に全生命を賭ける演出家・王寺ミチル。彼女が主催する小劇団は熱狂的なファンに支えられていた。だが、信頼していた仲間の裏切りがミチルからすべてを奪っていく。そして、最後の公演の幕が上がった……。スキャンダラスで切ない青春恋愛小説の傑作。俊英の幻のデビュー作!
- 著者:中山可穂
”猫背の王子”の口コミ・レビュー
「この著者が大好きです
はじめにこの作品の続編を読んだのですが、何故先にこの作品を読まなかったのかと、後悔しました。」
「印象深い作品
例え神の視点からの描写であっても、男性の作家と女性の作家では作品にその性別がにじみ出る。ひょっとしたら中性的なのかな、と思ったりしたが結果としては女性作家の作品だと思った。作品全体に張りがあり中山可穂の世界に引きずり込まれた。・主人公をはじめ、登場人物がみな個性的に描かれていた
・演劇に全身全霊でぶつかる姿勢と奥深さを知ることができた
・「トオルを失うこと=劇団の解散」への味付けがもうひとつ
・せっかくレズビアンの世界を描いたのであるから、なぜそうなのか、なぜ男性ではダメなのか、という基本的姿勢について少しでも言及があれば分かりやすかった」
「中山可穂文学の原点
「自分とセックスしている夢を見て、目が覚めた。」印象的な書き出し、印象的な表紙写真、印象的な登場人物。
とにかく強力なインパクトを持った作品です。
特に主人公の王寺ミチルは、極めて強烈でリアルな存在として読者の目の前に立ち現れます。
現実の友人や同僚よりも、はるかにリアルな存在として読者の生活の中に現れ、そして読者のハートを奪っていきます。
読み終わる頃には、王寺ミチルがずっと昔からの知人であったかのような錯覚すら覚えることでしょう。
自分の現実の生活をすらきっと王寺ミチルにかき回されることになりますが、それもまたこの作品の楽しみのひとつです。
時間と心に余裕のあるときに、どうぞお読みください。」
「やられました。
なんでもいいから、情熱をもてる対象があるというのは素晴らしいことだ。主人公のミチルは、演劇バカである。
未知の分野を詳しく描かれると、嫌気がさすか興味深く読むかに分かれるが、本書は後者だった。ミチルの情熱がストレートに伝わってきた。少し熱くなった。
それでいて、ミチルはガラスで出来た人形だ。あらゆる干渉を拒否する。彼女がつくる壁は偉大で険しい。でも、稀代の女ったらしでもある。彼女が彼女と紡ぐ性愛は、女性同士であるがゆえに飽くことなく、貪欲で生々しい。
こわれやすい繊細さを持ちながらも、時に大胆で破壊的な行動にでるミチルは退廃の美学を体現しているようだ。
少しうらやましく思った。軽く読めてしまったが、心のどこかにミチルの面影を残してしまう。毒気にやられたのかもしれない。三十四にもなって、二十二、三の小娘に横っつら殴りとばされるとは、情けない。」
まとめ ”猫背の王子”ってどうなの?
口コミ・レビューを見てもファンの多さが垣間見れる”中山可穂さん”のデビュー作となっている本作品。
本作品は全三部作の中の一作目にあたるとして、二作目”天使の骨”、三作目”愛の国”へと続きます。
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
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コメントお待ちしております。