”白い薔薇の淵まで”ってどんな本?
- 書籍詳細・あらすじ
- ジャン・ジュネの再来とまで呼ばれる新人女性作家・塁と、平凡なOLの「わたし」はある雨の夜、書店で出会い、恋に落ちた。彼女との甘美で破滅的な性愛に溺れていく「わたし」。幾度も修羅場を繰り返し、別れてはまた求め合う二人だったが……。すべてを賭けた極限の愛の行き着く果ては? 第14回山本周五郎賞受賞の傑作恋愛小説。発表時に話題を読んだ受賞記念エッセイも特別収録。
- 著者:中山可穂
”白い薔薇の淵まで”の口コミ・レビュー
「これは名作
これまで平凡に生きてきたアラサーOLの主人公。これまで何人かの男と付き合い、今は結婚を考えている彼氏もいる。それが、塁という女の子と出会ったことで生き方が変わってしまう。
というお話です。この作品ほど鮮烈な印象を受けたものはありませんでした。
この本を手に取ったことがきっかけとなり、著者の小説を何冊か読みましたが、白い薔薇の淵までを越える作品には出会えていません。このお話はかなり人を選ぶと思います。
好きで好きでどうしようもなくて、痛くて悲しくて、それでも幸せなお話。恋をすることで生まれる喜び、悦楽、妬み、痛み、狂喜。主人公たちの感情がとてもリアルに表現されています。
人を好きになること、その真摯さ。それに揺さぶられ、涙する人もいると納得。
私は泣きはしませんでしたが、かなり心に来るものがありました。」
「表現のセンスが卓越している
恐らく、著者が同性愛者だからこそ、その行為の表現が美しくセンス良く描写されている。
平成の森 茉莉といえば褒めすぎかもしれないが、それくらいのセンスを感じさせる。
寡作の作家のようだが、LGBTが市民権をやや得つつある今こそ新作を望みたい。」
「ところどころ
泣きながら読んだ。どちらの気持ちにも共感したが、どちらかというとクーチの方だろう。これが純文学なのか、そうでないのか、どうでもいいのだけれど、文体も読みやすかった。名作だと思う。できれば紙で手元に置いておきたかった。」
「静かな感動と強い印象
を、終始保ったまま、読んでいた気がする。
どうしてか、
読んでいる途中眠くなったので、
寝ようとしたら、
すごくすごく恐い夢-誰かを刺してしまうような-
を見そうな気がして眠るのがとても恐いと思った。
読んでいる間中、泣きこそしなかったが、
今にも泪が零れそうな感覚がずっと続いていた。
これほどまでに感情を揺さぶられる、
そして、誰しもが心の奥底に持つ狂気を
無意識に引き出しそうになる作品は初めて。
「わたしはこれで10年年老いた」
などのような、キャッチコピーをひっさげた「感情教育」
よりも遥かに出来の良い作品だと思う。」
まとめ ”白い薔薇の淵まで”ってどうなの?
口コミ・レビューでも評価が高く
- 「同性愛という「修羅の道」がいかなるものか、それを文学にした作品。」
- 「初めて彼女の小説を読んで「痛み」を覚えました。」
- 「読み切るにはパワーが必要です」
- 「鋭いまでの凡庸さ」
- 「せつなさの極み」
- 「極限の愛」
と、これまで見てきた本の中でも”熱い”コメント・レビュー・評価が目立つ本作品。
”百合”もの初心者の方もぜひ一度目を通しておきたい作品といえます。
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コメントお待ちしております。