”愛の国”ってどんな本?
- 書籍詳細
- 満開の桜の下の墓地で行き倒れたひとりの天使――。昏い時代の波に抗い鮮烈な愛の記憶を胸に、王寺ミチルは聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す。愛と憎しみを孕む魂の長い旅路を描く恋愛小説の金字塔!
- 著者:中山可穂
”愛の国”の口コミ・レビュー
「ここで描かれるのは、ファシズム政権が台頭する近未来の日本であるが、今日の日本がじきに歩むだろう道を先んじて提示して見せているようで、暗澹たる気持ちにさせられる。先日も、与党のとある議員が「LGBTには生産性がない」と公然と言い放ったことは記憶に新しい。数年前ならあり得ないと思えた法案も、オリンピックや芸能ニュースに紛れて粛々と可決されている。
この小説に描かれる社会が実現するにはあとほんの数歩。すでに十分すぎるほどの準備が整っている。
この日本に生きる私達全てに向けた警鐘ともとれる作品である。」
「本物の小説を読んだという喜びに満たされました。印象的、衝撃的セリフ、場面のオンパレードで、ページを捲る手が止まりませんでした。何より、愛しても愛されても孤独から抜け出せない、愛に不器用で、生きるのが下手で、でも、神様から与えられた特別な才能を生きて表現しない訳にはいかない、そんな主人公がいとおしいです。私は、主人公ミチルさんの物語はこれからも続いていく派です。私たち、読者の前には姿を現さなくとも。彼女のような美しい心の持ち主が、心身ともに迫害されることのない社会にならなければと思わせる、力ある一冊でした。」
「終わってしまいました。
後に残ったのは疲労した自分の体(読みふけったため)と寂しさでした。
何度も読み直そうとは思いません。重たく苦しい気持ちになりますから。
でも、素晴らしかったです。
物語の構成の仕方が圧巻でした。」
「中山可穂さんが紡ぎ出す悲鳴にも似た美しい言葉の
数々を堪能しました。
ミチルさん、とうとうもう会えないんだなぁ。」
まとめ ”愛の国”ってどうなの?
”猫背の王子”・”天使の骨”に続く第3作目として待ちわびていた方も多かった本作。
口コミ・レビューを見るとさすがは中山可穂さんの著書といえるほど、高評価となっている印象。
気になっている方はぜひチェックしてみてくださいね。
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